選挙と臓器
おはようございます。
どうもケイトです。
今週の土曜日は、シンガポールの選挙です。
私は永住権を持っていますが、国民ではないので、もちろん選挙権はありません。とはいえ、興味深い話題ですよね。
先日、会社の人事部から「選挙に行って責任を果たしましょう」という全社員向けのメールが届き、その重大さに少し驚きました。
そう、シンガポール国民にとって投票は責任であり、法律上の義務とされています。
そして、正当な理由なく投票しないと「棄権」とみなされ、選挙権を失います。
正当な理由とは、海外勤務や留学、それに伴う同行、旅行、病気、出産など、かなり幅広く認められているようです。ちなみにこの「正当な理由」がないまま選挙権を剥奪されると、再登録には50ドルの罰金が科せられるそうです。
シンガポールは国会が一院制で、選挙は、任期5年の国会議員選挙と、任期6年の大統領選挙の2種類。
そう考えると、頻度が高くないからこそ、この仕組みが成り立っているのかもしれませんね。
また、投票日が平日の場合は、法律で国民の祝日になるそうです。
今回は土曜日なので対象外ですが、私の会社では多くの人が週末も働いているためか、土曜日を祝日扱いとして代休が出るようです。
これが全ての会社に適用されるかは分かりませんが、投票をする立場からすればありがたいことですよね。それだけ、投票が重要視されているということでしょう。
こういう制度を整えているおかげで投票率は過去20年近く90%を切ることはなく、もっと細かく言うと
2006年総選挙94.00%
2011年総選挙93.18%
2015年総選挙93.56%
2020年総選挙95.81%
と高い投票率を誇っているそう。投票率が平均50%〜60%の日本からは大きな差がありますね。凄いなぁ。
シンガポールでは、この「オプトアウト」と呼ばれる、“意思表明をしない限り参加していることになる”仕組みが多いと感じます。
選挙も、きちんと理由を添えて「投票できない」と明言しない限り、投票は義務です。
また、臓器提供についても、生前に拒否登録をしていない限り、21歳以上の国民と永住権を持つ居住者の臓器は、死後に移植提供される仕組みです。
一方、日本では臓器移植は「オプトイン」、つまり自ら意思表示をしない限り、提供に使われません。
つまり、何かのアカウント作成時に「オプトイン」してメルマガやお得情報を受け取る設定にするか、「オプトアウト」して受け取りを拒否するか、という違いに置き換えると分かりやすいかもしれませんね。
人間って面倒くさがりなので、わざわざ立候補するのも、逆に参加を拒否するのも手間です。だから、オプトアウト方式の方が提供率が高くなりそう…と思ったのですが、それでもシンガポールでは臓器の提供数が足りていないのだそうです。
人口が少ないからでしょうか。いろいろと工夫が必要なんですね。
選挙には行こう。(私は行けないけども)
ソース:
https://www.clair.org.sg/j/wp-content/uploads/2021/11/ed518076de5df75d6cc027c312ac965c.pdf
https://www.clair.org.sg/j/mail-magazine/201607-sin-voting_rate/
https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/